はじめに
化学の計算問題を解く上で、比例式はとても重要です。
気体の状態方程式(PV=nRT)であったり、中和の量的関係など、比例式を使わずに計算するものもありますが、
比例式を使うことで解ける問題も多いです。
このサイトでは、化学を苦手としている人向けに、少しでも苦手意識がなくなるようワンポイントアドバイスをまとめておりますが、比例式はよくわからない、という方もいらっしゃると思います。
もしかしたら比例式を見ただけで拒否反応を起こす人もいるかもしれません。
そこで、これだけは覚えておきたい、比例式の最重要ポイントをまとめます。
比例式の重要事項
比例式の性質は色々ありますが、化学の計算問題を解くために覚えておくことは一つだけ。
このポイントが分かれば、
比例式から、求めたい値を計算できるようになります。
比例式a:b=c:dの性質として、
「外側どうしをかけたもの」(aとd)と
「内側どうしをかけたもの」(bとc)が等しくなります。
つまり、ad=bcを意味します。
比例式a:b=c:dを見かけたら、すぐにad=bcが思い浮かぶようにしましょう。
これができるようになるだけで、比例式に対する苦手意識が薄れるはずです。
大まかな計算の手順
比例式を計算する手順は、次のようになります。
① まずは、「a:b=c:d」の形を、「ad=bc」にし、
② その後、求めたい値を計算します。
これら2つの手順に着目しながら、例題を見ていきましょう。
例題
例題は4問です。
与えられた比例式から、xの値を求めます。
例題1
3:2=x:16
① まずは、「a:b=c:d」の形を、「ad=bc」にします。
3×16=2×x
次のステップに進む前に、式を整理します。(xが右辺にあるので、左辺と右辺を入れ替えています。)
2x=48
② xを求めます。(この例題の場合は、両辺を2で割ることで求められます。)
x=24(答)
例題2
12:6.0×10²³=1:x
① まずは、「a:b=c:d」の形を、「ad=bc」にします。
12×x=6.0×10²³×1
次のステップに進む前に、式を整理します。
12x=6.0×10²³
② xを求めます。(この例題の場合は、両辺を12で割ることで求められます。)
x=5.0×10²²(答)
例題3
2:3=22.4:x
① まずは、「a:b=c:d」の形を、「ad=bc」にします。
2×x=3×22.4
次のステップに進む前に、式を整理します。
2x=67.2
② xを求めます。
x=33.6(答)
例題4
9.65×10⁴:1=1.93×10³:x
① まずは、「a:b=c:d」の形を、「ad=bc」にします。
9.65×10⁴×x=1×1.93×10³
次のステップに進む前に、式を整理します。
9.65×10⁴x=1.93×10³
② xを求めます。
x=0.02(答)
まとめ
化学の計算では、比例式を使うことで解ける問題も多いです。
また、比例式は色々な場面で使えます。
ぜひ、「比例式の重要事項」でまとめたポイント、
a:b=c:d ⇒ ad:bc
を使いこなせるようにしましょう。
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